イチ流に触れてBACK NUMBER
2017年のイチローは“代打の神様”。
一振りに懸けても近づく最多安打。
posted2017/09/14 11:00
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
Kyodo News
メジャー17年目、日米通算26年目。今年もイチローは数々の記録を塗り替えている。
列記すると以下の通り。カッコ内はイチロー以前の記録保持者だ。
4/19 日本人メジャー最多打点 761(松井秀喜)
7/6 メジャー歴代24位 通算3054安打(ロッド・カルー)
7/18 メジャー歴代23位 通算3056安打(リッキー・ヘンダーソン)
8/4 メジャー歴代22位 通算3061安打(クレイグ・ビジオ)
8/26 球団シーズン最多代打安打 22(ロス・グロード)
9/6 日本新記録 日米通算5863塁打(王貞治)
9/7 メジャーシーズン代打最多打席95(ラスティ・スタウブ)
9月10日現在、残り2本の射程圏内に捉えているのが、1995年にロッキーズのジョン・バンダーウォルが記録した代打でのシーズン最多安打28である。マリーンズのドン・マッティングリー監督も報道陣に「イチローのシーズン代打最多安打まではあと何本?」と、質問することでも分かるように米国でも注目を集めている。
先発出場18試合、途中出場101試合、うち代打での出場が96試合。これがここまでの内訳で先発での打率は.234、代打を含めた途中出場が.272、代打に限っては.295。例年とは全く逆の打率を示している。
28試合連続ベンチでも、打率.381の凄まじさ。
また、こんな数字もある。
イチローは8月10日から9月7日にかけて、自己最長となる28試合連続先発出場なしという起用が続いた。だが、この間の成績が凄まじい。
21打数8安打、打率.381。
代打で.381はあり得る数字ではなかなかない。1日1打席の一振り稼業が続く現状をイチローに聞くと、彼からはこんな言葉が返ってきた。
「全然慣れていないですけど、慣れていないことにちょっと慣れてきたという感じはある」