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阿部浩之、川崎を淡々と変革中。
勝ち方に敏感であれば優勝できる。 

text by

いしかわごう

いしかわごうGo Ishikawa

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photograph byGetty Images/J.LEAGUE

posted2017/09/08 07:00

阿部浩之、川崎を淡々と変革中。勝ち方に敏感であれば優勝できる。<Number Web> photograph by Getty Images/J.LEAGUE

阿部が川崎にもたらしたのは流動性あふれる攻撃、ゼロトップ以上に「勝利へのインテリジェンス」なのだろう。

「代表? ポジションないなぁ(笑)」

 ワールドカップを決めたオーストラリア代表戦の翌日のこと。

 練習後の囲み取材でその話題を向けられた阿部は、昨年まで同僚だった井手口陽介と東口順昭の二人の名前をあげて、たわいもない感想を口にしていた。

「陽介(井手口陽介)、良かったなぁ。次はヒガシくん(東口順昭)、出て欲しいなぁ」

 そしてこの日本代表の中に、自分の姿を重ねることはあるかと尋ねられると「どこで出るんやろう? ポジションないなぁ、という感じですね(笑)」と笑った。現状分析に長けている阿部らしい冷静さでもある。

 今回の予選の予備登録リストにも入っていなかった阿部が、来年のW杯本大会で日本代表のユニフォームに袖を通すというのは現実的ではないだろうが、Jリーグでの高いパフォーマンスを維持し続けていれば、居場所がないとも言い切れないはずだ。

 現在、川崎フロンターレはリーグ戦で3位と好位置につけ、ACLを含めた4冠を狙える状態にある。彼はフロンターレというクラブに勝つために必要なエッセンスを着実に注入しつつある。

 クラブ悲願のタイトル獲得に貢献した時、阿部浩之を取り巻く世界もきっと変わっていくに違いない。

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