酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
甲子園勝利数・日本地図を大公開。
王国は大阪と兵庫、豪雪地帯は……。
posted2017/09/01 07:00
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Kou Hiroo
関東地方は雨続きだったが、関西は相変わらずで、暑い暑い暑い甲子園が終わった。
今年の甲子園は、メディアにとって「ままならない夏」だったのではないか。
「よし、今年は『清宮幸太郎最後の夏』で決まりだ!」
と意気込んでいたら、清宮率いる早実は東海大菅生に敗退。甲子園に辿り着けなかった。
「うーん、残念!」
と思ったら、甲子園が始まると、かの清原和博の本塁打記録を抜くスラッガーが登場した。広陵の中村奨成だ。
「よっしゃ、深紅の大優勝旗と中村だ!」
と再度いきりたったら、決勝では中村は不発で広陵は花咲徳栄に負け。勝負は時の運とは申せ、ずいぶん残念なことでござんした。
甲子園のおひざ元、大阪府と兵庫県は300勝以上。
こないだ「高校野球番付」を作った関係もあって、新入幕の大阪桐蔭がどこまで勝ち星を伸ばすかと思ったが、大阪桐蔭は3試合目で仙台育英にまさかのサヨナラ負け。たった2勝しか積み上げられなかった。本当に甲子園はままならないものだ。
それでも大阪府は、日本一の「野球王国」である。甲子園での勝利数を都道府県別に並べてみると、それがはっきりわかる。冒頭の画像は第1回から今年までの春夏の甲子園勝利数を各都道府県に落とし込んだもの。
題して、高校野球日本地図。
これを見ると一目瞭然。甲子園のおひざ元の大阪府と兵庫県がともに300勝以上。野球の本場はまさにここだ。
大阪には硬式野球部がなくなったPL学園の96勝を筆頭に、大阪桐蔭52勝、大体大浪商49勝。兵庫は58勝の報徳学園、33勝の東洋大姫路。この2地域は特定の学校が強いのではなく、強豪校がひしめいているので各校の通算勝利数は割れるが、トータルでは圧倒的で、レベルの高さは随一だ。