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笑顔と感謝の浅田真央アイスショー。
アンコールの白ドレスに込めた思い。
posted2017/08/08 11:30
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Asami Enomoto
終始、晴れやかだった。
8月4日、浅田真央が座長を務めるアイスショー「THE ICE」の名古屋公演初日が愛知県体育館で行なわれた。毎年開催されてきた恒例のアイスショーで、今年は大阪公演に続いての公演だ。4月の引退発表後、地元のファンの前で初めて滑る場でもあった。
開演時刻は13時、その2時間近く前にはすでに多くの人々が会場につめかけていた。場外のグッズ売り場には長い列が続いている。
開場は12時を少し過ぎた頃。炎天のもとで扉が開くのを列を作って待つという酷な状況にあった。出演者の1人である小塚崇彦が「(当日の開演前の)練習のときは33度」と明かしたように、始まる前から会場にも熱がこもり、扇子などで仰ぐ観客の姿が目立った。
それでもショーが終わり、会場を出る人たちは、笑顔で帰途へついた。
「気持ちもちょっと柔らかい感じで滑れたかな」
何よりも、浅田自身が、始まりから終わりまで、笑顔だった。終演後も柔和な表情を浮かべていた。
「大阪公演が終わって、1回お家に帰りました。エアロと会ったりして、『あ、地元に帰ってきたんだなあ』と思いながら昨日ここに来ました。リンクに乗ったらどの会場も一緒なんですけど、今日はお友達や家族も見に来てくれたので、気持ちもちょっと柔らかい感じで滑れたかなという風に思います」
幼少期からの写真が順々にスライドショーのように映し出されて始まった第1部で白眉だったのは、出演者たちが浅田真央のこれまでのプログラムを演じるメドレーだった。
そのメドレーでは、アデリナ・ソトニコワが『シェヘラザード』、織田信成は『スマイル』、宇野昌磨と鈴木明子それぞれが『ラヴェンダーの咲く庭で』を披露した。