ボクシング拳坤一擲BACK NUMBER
エンダムとの再戦は村田有利だが。
会見の言葉でリマッチの展開を占う。
text by
渋谷淳Jun Shibuya
photograph byHiroaki Yamaguchi
posted2017/08/08 08:00
世界戦とは思えない和やかな雰囲気で進んだ村田諒太の記者会見。しかし、ボクシングに勝者は1人しかいないのだ。
村田有利は間違いないが、崖っぷちなのも事実。
「デビュー戦は僕にとって冒険マッチだったかもしれないけど、それ以外の試合は実力さえ出せば勝てる相手だったと思う。今回彼のような世界トップレベルの選手と初めて試合をして、通用することが分かった。エンダムが僕を今の位置まで引き上げてくれた。試合前はある意味、自分自身に対して半信半疑だったけど、いまは自分を信じることができる。それが大きいかなと思います」
自信を得たことで、リスクを背負ってエンダムを倒しにいくことができる。5月にダウンを奪っている事実も、プラスに作用するだろう。エンダムの学習能力を侮ることはできないが、やはり第2戦は「村田有利」との予想に傾くのではないだろうか。
村田は不運な形とはいえ、プロ初黒星を喫した上での2度目の世界挑戦を「前回よりも崖っぷち」と表現した。たとえ戦力比較で優位に立ったとしても、エンダムに明確に勝利することは、簡単なミッションではありえない。
「前回の試合がいまのぼくを作ってくれた。彼を乗り越えてその先を見据えたい」
村田が未来への扉をこじ開けるのか。はたまたエンダムが大きな壁となって立ちはだかるのか。第1戦の内容が内容だっただけに、第2戦を両雄がどう戦うのか、興味が尽きない。