Sports Graphic Number MoreBACK NUMBER
松坂世代「その他大勢」がトップに。
和田毅、思考派左腕というプライド。
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byTadashi Shirasawa
posted2017/08/12 09:00
端正な顔立ちとスタイルは早大時代から変わらない。36歳を迎えてもなお自らを研ぎ澄ますからこそ、和田はプロの一線級で戦えている。
48歳……さすがにムリと思うけど、近づけるように。
工藤公康監督から告げられたのは2月21日。36歳の誕生日という粋な計らいだった。
「もうオッサンですよ。白髪も増えてきた。目立たないように抜いてます(笑)。ただ、この年になると早生まれは得な気分ですね」
30代半ばを迎え、いまどんな思いを抱くのか。
「プロ野球選手になって2度目の年男か。次は48歳……。さすがにムリでしょ(笑)。だけど、それに近づけるように体のケアもしっかりとやっていきたいです」
年齢を重ねるのは人の常。この世界では、ベテランは肉体の衰えを、磨き続けた技術でカバーする。その水準がいつしか逆転したときに技巧派へ転身せざるを得なくなる。
しかし、和田は力と技の交差点を迎えていない。変わらないという矜持。まだしばらく、その姿のままを見せてほしい。
(Number926号『和田毅 変わらないことの難しさ。』より)