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東京五輪でソフトボールの感動再び!
34歳・上野由岐子は必死で「休む」。
text by
田村航平(Number編集部)Kohei Tamura
photograph byNao Nakai
posted2017/06/30 14:20
昨季は史上初の日本リーグ通算200勝を達成。かつて121kmを計測して世界最速といわれた速球の力強さは健在だ。
東京五輪時には38歳になるも……不安はない。
上野は伸ばしたグラブの先でゴロを捕まえると、崩れた体勢からスナップを利かせて素早く送球する。
まったく力感のない、流れるような動作だ。
若手選手たちが食い入るように見つめる中、上野はこの動作を何十球も繰り返してみせた。休憩中の無表情とは打って変わって、その顔には弾けるような笑みが浮かんでいる。
「確かにお手本のような役割を求められています。でも、これまで私が教わってきたソフトボールをみんなに見せているだけですよ」
そこに、東京五輪を38歳で迎えることへの不安は見受けられない。むしろ上野は2020年までの3年間を、ともに汗を流す若手選手の成長を楽しむ時間にしようとしている。
上野は代表復帰を決断するにあたり、「誰かのために頑張りたい」と語っています。その「誰か」とは特定の誰かを指しているのか、指しているとすれば誰なのか……北京五輪から取材している矢崎良一さんが、その真意に迫っています。詳細はNumber930号にて、是非お読みください。