酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
張本勲の3085安打を超えるとしたら!?
20代で1500本に迫るその男の名は……。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byHideki Sugiyama
posted2017/06/29 07:00
2000本安打をキャリアのゴールではなく通過点として突破しそうな選手というのは、プロ野球広しといえどそういない。
坂本は、張本勲の3085本に迫る可能性さえある!
坂本はここまで1試合当たり1.1本の安打を打っている。このペースで行けば、あと469試合で2000本に達する。ほとんど休まないから、3年と少し、2020年の終わり頃には2000本安打に達する。12月生まれの坂本は32歳になる前に大台突破する可能性がある。
そうなれば榎本喜八が31歳7カ月で達成した「最年少2000本安打」記録を抜く可能性がある。榎本に次ぐのは、32歳2カ月で達成した張本勲だが、これを抜く可能性も大いにある。
と、いうことは、張本勲が毎週日曜日に「喝!」という力の源泉だと言われる「日本唯一の3000本安打」、「通算3085安打」に迫る可能性さえあるのだ。
張本勲は38歳の年まで3割を打った。坂本にも持久力が求められる。安打のことだけを考えれば、坂本は30代半ばまでに、激務の遊撃手から、負担が軽い三塁手、一塁手、外野手へのコンバートも必要になってくるだろう。
秋山、浅村、丸など2000本候補生はズラリといる。
2位は西武の秋山。坂本勇人、ソフトバンクの柳田、DeNAの梶谷らとともに、1988年生まれ。
今や死語になりつつある「ハンカチ世代」だ(T-岡田、平田良介、銀次、安達了一は早生まれで1学年上)。ヤンキースに行った田中将大も含め、この世代は大当たりだった。
秋山は2015年に216安打のNPB記録を樹立。当代きっての安打製造機だ。脂の乗り切った年齢に差し掛かりつつある。ここから安打を量産して、大卒では金本知憲に次ぐ2人目の2500本安打に達する期待がある。
坂本、秋山より2歳若く、来季早々にも1000本に達しそうな西武の浅村、進境著しい広島の丸佳浩などにも大いに期待がかかる。
今季は不振にあえいでいるが、ヤクルトの山田哲人、DeNAの筒香嘉智にも頑張ってほしい。
24歳以下では、4割の期待がかかったが惜しくも椎間板ヘルニアで今季絶望的になった近藤健介(1993年生まれ)が354安打、それより1歳下で「神ってる」でおなじみの広島、鈴木誠也が319安打、まだ先は長いが、彼らにも挑戦権はあるだろう。
ちなみに鈴木と同い年の日本ハム、大谷翔平も240安打を打っているが、彼の場合「二刀流」、「MLB」など選択肢が多いので、何とも言えない。