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柳田将洋をラクにする新セッター。
男子バレー進化の象徴・藤井直伸。 

text by

米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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photograph byAFLO

posted2017/06/15 07:00

柳田将洋をラクにする新セッター。男子バレー進化の象徴・藤井直伸。<Number Web> photograph by AFLO

絶対的な高さでは世界に及ばない日本にとって、ミドルを絡めてトスでブロックを翻弄することは極めて重要。藤井直伸の存在は貴重だ。

ブランコーチの指導の成果が表れるのはこれからだ。

 南部正司前監督時代の不動の正セッターが、今は控えに回り出場機会は限られる。複雑な思いは当然あるだろう。それでも個人的な感情は胸にしまい、あくまでも主将としてチームのために振る舞う。タイムアウトの時には決まって、真っ先にベンチ前に出てコート内の選手たちを出迎える。

「今、チームがすごくいい状態ですし、僕の役割としては、締めるところを締めて、声出すところで声を出してやること。もちろんコートに入った時はプレーで貢献しますけど、それだけがすべてじゃない。いろんな貢献の仕方があると思うので、そこはしっかりやっていきたいと思います」

 ワールドリーグ予選ラウンド2週を終えて、日本は4勝2敗でグループ2の12チーム中4位につけている。トップチームが集まるグループ1よりはレベルが下がるため、世界トップレベルのチームに通用するかどうかはまだ未知数だ。しかし、エースの石川が腰の故障でまだ万全の状態ではなかったことや、経験の浅い選手が多いことを考えれば、今後の伸びしろは計り知れない。

 リードブロック(相手のトスを見てから反応するブロック)を基本としたブロックや、ディグの状況判断、オーバーパスを取り入れたサーブレシーブなど、ブランコーチの色は少しずつ見え始めているが、それを選手が体現し、変化が表れるのはこれからだろう。その変化を、楽しみだと感じさせてくれる3連戦だった。

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