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常連外しとサプライズ招集は「喝」だ!
“要求の鬼”ハリルが認めた25人。
posted2017/05/26 11:50
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph by
AFLO
NumberWEB担当デスク(以下、デスク)「もしもし、親善試合シリア戦(6月7日、東京スタジアム)、ロシアW杯アジア最終予選イラク戦(13日、イラン・テヘラン)のメンバー25人が発表されたね。一言、まず感想を」
二宮「今回の選考を一言で表すなら、『喝ッ!』ですかね」
デスク「張本さん? どういうこと?」
二宮「日本は3月、UAE、タイに2連勝して得失点差でサウジアラビアを上回って今予選初めて首位に立ちました。ハリルホジッチ監督は『一番心配なのは最終的にはいつも予選を突破できているという考え。その罠にひっかかりたくない』と言っています。かつ、海外はシーズンが終わってオフに入る時期。チームの気を引き締める意味でも、調子が上がっていない常連のメンバーを敢えて外してきたのかなとは感じましたね。そして落選した常連組にも喝を入れた感じですね」
デスク「西川、森重、清武、宇佐美は継続して呼ばれてきたのに、まとめて外してくるとはなあ。特に森重は、最終予選で全試合に先発しているのに……」
二宮「勝っているのに、ここまでメンバーを入れ替えてくるとは思いませんでした。ただ監督は『完璧に外したとは思ってない』と言っています。ここにひとつ、意図があるのかな、と」
デスク「と言うと?」
空中戦とセカンドボールで勝つ、という意思表示。
二宮「今回の選考でもうひとつ感じたのは、作戦を遂行するという監督の強い意思でした。イラクとの一戦は中立地のテヘランで行なわれ、使用するPASスタジアムは'15年10月のイラン遠征の際にトレーニングで使用しています。グラウンド状態がかなり悪いようで、指揮官は空中戦とセカンドボールが試合のカギだと言っています。また、イラク代表はフィジカルが強く、アグレッシブなチーム。そこでデュエルに強いメンバーを並べ、センターバックにも空中戦に定評のある三浦を抜擢してきました」
デスク「確かに中盤には遠藤(航)や井手口も入ってきた。ブルガリアでプレーする加藤も球際の強さに持ち味があるんでしょ?」
二宮「ハリルホジッチ監督によれば『蛍よりはパワーがないが、予測とアグレッシブさに特長がある』と。ボール奪取に長けた選手だと聞いています」