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一度は条件戦に落ちた馬がGI勝利。
アドマイヤリードの器はいかほどか。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2017/05/15 11:20
桜花賞やオークスに出場した後一度は条件戦に回ったアドマイヤリードだったが、見事にGI戦線へ返り咲きを果たした。
この日、ルメールは4勝に2着5回。
ルメールはつづく最終レースも制し、この日4勝2着5回、着外2回と勝ちまくった。第1レースでは、武豊やミルコ・デムーロを上回る現役最速3627戦目でJRA通算600勝を達成しており、まさに「ルメールデー」だった。なお、開催日1日9連対というのは、武豊(3度)や横山典弘、藤田伸二、岩田康誠と並ぶJRA最多タイ記録だ。
2着は蛯名正義が騎乗した11番人気のデンコウアンジュ、3着は幸英明が乗った7番人気のジュールポレールで、1着から3着までを4歳馬が独占した。
デンコウアンジュはパドックで落ちついていたし、蛯名が「すべてが上手くいった。団子状態になって前と差のない位置につけられて、少し時計がかかったのもよかった」と話したように、展開も味方した。ジュールポレールは、半兄がマイルチャンピオンシップなどを勝ったサダムパテックということを考えれば、このくらい走っても不思議ではない。
厩舎と親の組合せはゴールドシップを思い出させる。
結果論だが、4歳馬が良績を残しているというデータに従い、何も考えず、出走していた7頭の4歳馬の馬連をボックスで買えば、21点で427.1倍の高配当をゲットできたわけだ。
単勝1.9倍の圧倒的1番人気に支持されたミッキークイーンは7着に終わった。手綱をとった浜中俊は「上手に出て、そのままの感じでレースをした。直線でいつも反応は鈍いのですが、きょうは手前を3回ぐらい替えていた。(敗因は)わかりません。申し訳ありません」と語った。
2番人気のルージュバックは、騎乗した戸崎圭太が「位置取りが後ろになり、伸びも今ひとつでした」と言ったように、スローな流れに持ち味を封印された。
3番人気のレッツゴードンキは、道中掛かってしまい、終いの伸びを欠いた。
アドマイヤリードは、重賞初勝利をGI制覇で飾ったわけだが、須貝厩舎のステイゴールド産駒というと、やはりゴールドシップが思い出される。性別も毛色もタイプも異なるが、同じ父を持つ大先輩のスケールにどこまで迫ることができるか、先々が楽しみだ。