炎の一筆入魂BACK NUMBER
広島・岡田明丈のマイペース伝説。
2年目に変えたフォーム、不変の芯。
text by
前原淳Jun Maehara
photograph byKyodo News
posted2017/04/27 07:00
今季初勝利を挙げた対ヤクルト戦での岡田。徐々に安定感が増し、チームメイトからも頼られる投手になりつつある。
黒田博樹も絶賛した岡田の修正能力。
「1年目は周りの動きについて行っていたような感じで、自分でもどうしていいか分からないことがあった。でも1年やって、今年は昨年よりは自分で考えてできていると思う」
もしかしたら、岡田は何も変わっていないのかもしれない。
もともと芯のある投手だ。
だからこそ、昨季も大きく調子を崩したシーズン序盤から終盤に立て直すことができたのだろう。
昨季限りで現役を引退した黒田博樹氏も「1年目の投手が序盤に結果を残せないまま二軍に降格して、その年の終盤にあれだけの投球ができることは滅多にない」と、その修正能力の高さに驚いていた。
「今年は5完投」はいけるはず!
岡田の強さを誰よりも感じ取っていたのは、畝龍実投手コーチだ。
「取り組み方から変わっていた。何か目標を持って取り組んでもらいたかった。あの子なら十分5完投はできる。本当はもっと(目標が)高くても良かったくらい。それだけの力のある投手だと思っている」
シーズン前に畝コーチと岡田が交わしたという約束「今年は5完投」。その言葉に、岡田も力強くうなずいていたという。
今季初登板となった開幕2戦目は序盤2回までに6失点する立ち上がり、チームは勝利したものの、思わぬ滑り出しとなった。
この初登板となった試合、両軍合わせて27四球を記録する厳しい判定が投球を苦しめた側面もある。
だが、岡田は首を振る。
「自分の中でもズレがあった」