濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
新たな風景を見せるRIZINのリングで
39歳の“オヤジ”川尻達也が輝いた日。
posted2017/04/22 08:00
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Susumu Nagao
もしかしたら、RIZINは一般視聴者にとってまったく新しい格闘技イベントに見えているのかもしれない。
今年一発目の開催となる4月16日の横浜アリーナ大会では、RENAを筆頭に女子4試合がマッチメイク。RENAvs.ドーラ・ペリエシュはフジテレビ中継のトリを飾った。榊原信行実行委員長は「RIZINは女子でもってる」とまで言う。女子49kgのGPトーナメント開催も決まった。
その一方、PRIDEに参戦した経験があるのは11カード中、ヒース・ヒーリングと川尻達也の2人だけ。いまや石井慧も“視聴率要員”とは言えないだろう。女子選手や“神童”那須川天心といった若い選手たちが作り出す新しい光景で、RIZINは世間と勝負しようとしている。
UFCを離脱した堀口恭司もRIZIN参戦!
今大会には、UFCを離脱した堀口恭司も参戦した。UFCフライ級ランキング3位、タイトルマッチも経験した世界トップレベルの強豪だ。だが試合がなかなか組まれず、現在のUFCは人気階級、人気選手にチャンスが偏っていると感じたことからRIZINにやってきた。結果を出せずに“クビ”になったわけではないのだ。
世界最高峰の戦場であるUFCを離れたからといって「最強になるのをあきらめたわけじゃないです」と堀口は言う。
「むしろ最強を目指してるからRIZINなんですよ。そもそも試合が組まれなかったら最強になれないじゃないですか」
UFCフライ級王者デメトリアス・ジョンソンとは、いつか対抗戦のような形でリマッチができればと考えているようだ。RIZINフライ級をそれくらいの舞台にしようという意気込みで、堀口は自身の“逆輸入”を決めたのである。