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人気に続き実力もBリーグ最高峰へ。
千葉ジェッツ、激戦区での大躍進。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2017/04/21 08:00
もちろん富樫や外国籍選手の存在感は絶大だ。しかし千葉ジェッツは終盤戦に総合力でも勝負できる集団に変貌しつつある。
千葉には他チーム以上の“伸びしろ”がある。
39歳の青年指揮官である大野も、CSまでの残された試合の意義を説く。
「自分たちがもっと、もっとステップアップできるということを信じて、どれくらいやれるのか、です。それを選手には口酸っぱく言っています。
『もっともっとタフになれるはずだし、もっともっと良いオフェンスを生めるはず。でも、そのためにディフェンスをしないといけないし、リバウンドをとらないといけない』と。本当にベーシックなことばかり言い続けているので、選手はウザがっているかもしれないですけどね(笑)」
大野がHCに就任したのは、今シーズンから。そこは上位に立つ三河、川崎、栃木、A東京とは大きく違うところだ。チーム作りには時間がかかる。その分だけジェッツは、シーズン序盤戦に勝ち星を伸ばすことはできなかった。
でも、今は違う。
大野の指導が実を結びつつある。優勝候補と互角以上に渡り合っているのがその証拠だし、何より、彼らには他チーム以上の“伸びしろ”がある。
東地区にいたから、人気も実力も伸ばせた。
伊藤は、今季のジェッツをあるキーワードを用いて、こう説く。
「僕たちは『若い』チームなんです。それは年齢が若いという意味ではなくて、今シーズンから新しいチーム作りを始めたところなので、チームとして若いという意味です」
そして、続けた。
「もし、他地区に千葉が入っていたとしたら、今のように(多くのお客さんが)応援してくれていたかな? と考えると……。むしろ、僕たちには(東地区所属が)上手く作用したほうが大きかったんじゃないかなと思います。
強いチームとクロスゲームをしながらも勝っていくことこそが、チーム強化のための一番の薬になってくる。若い選手にも、そういう経験がこれから絶対に活きてくると思います。個人的には、この地区に入って良かったなと思っています」