松山英樹、勝負を決める108mmBACK NUMBER
松山英樹が珍しく音に反応した時。
マスターズ優勝は「小さく狭い場所」。
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舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byAFLO
posted2017/04/06 11:20
![松山英樹が珍しく音に反応した時。マスターズ優勝は「小さく狭い場所」。<Number Web> photograph by AFLO](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/4/b/700/img_4bbc85dff24c164ce1e89f4e3182351f121858.jpg)
過去2年連続でトップ10に入り、松山英樹とオーガスタの相性は悪くない。しかしそもそも彼は世界ランク4位、堂々たる優勝候補なのだ。
年末の絶好調は過ぎ去ったが、それでも……。
あれから1年。松山は「今度こそ」という想いを強め、そのために血のにじむ努力を積んできた。
昨秋の日本オープンを皮切りに5戦4勝の快進撃を遂げ、HSBCチャンピオンズを制してアジア人初の世界選手権制覇も成し遂げた。フェニックスオープン2連覇も達成し、米ツアー通算4勝の強者へ。瞬く間に世界4位のトッププレーヤーへ。
もはや松山はマスターズ優勝間近、メジャー優勝間近と見られ始めたが、どうしたわけか、そこから先は一転して不調に陥り、闇から抜け切れないまま、今年のマスターズを迎えることになった。
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とはいえ、マスターズ前の最後の試合となったマッチプレー選手権後の1週間で状況はやや上向いた様子。いや、松山が必死で「上向けた」のだろう。
「去年の年末に比べたら今の状態はすごく落ちている。(でも)マッチプレーのときより少しずつ良くなっていると思うので楽しみになっている。できれば悪くならずにここを迎えたかったけど、過ぎ去ったことなので、ここで良くなることを目指し、日曜日にいい形で終われればいい」
マキロイもまた、希望通りのプランではなかった。
「できれば、こうしたかった」と悔やまれることがゴルフの世界では往々にして起こる。
マスターズを制すればキャリアグランドスラム達成となるローリー・マキロイは、今年のマスターズ制覇を悲願に掲げていたが、その想いは逆に仇になった。
肋骨の疲労骨折と診断されて、今年1月から戦線離脱。当初はマスターズ出場も危ぶまれていたが、なんとか復帰したマキロイは、マスターズ直前に必死の調整を行ない、どうにか明日の開幕に間に合わせた。
「残念ながら今年を望んでいた形でスタートすることができなかった。本当はマスターズまでに多くの試合をこなすヘビースケジュールを組んで調子を上げたかったけど、南アの1試合を境に一転して7週間の戦線離脱となってしまった。でも、この2週間はオーガスタで99ホールを回った。ここ10日間、必死に準備をしてきた」