松山英樹、勝負を決める108mmBACK NUMBER

松山英樹よ、まだチャンスはある。
苦しんだマスターズ初日と応援者。

posted2017/04/07 14:00

 
松山英樹よ、まだチャンスはある。苦しんだマスターズ初日と応援者。<Number Web> photograph by Getty Images

初日、期待とは裏腹に苦しいラウンドを強いられた松山英樹。しかし、マスターズほど逆転が起こるコースもそうないのだ。

text by

舩越園子

舩越園子Sonoko Funakoshi

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Getty Images

 松山英樹にとって今年のマスターズの迎え方は、ある意味、試練のようなものなのかもしれない。

 昨年から今春にかけて数々の勝利を重ね、「最もホットな選手」、「メジャー優勝は近い」、「今年はマスターズ優勝だ」と日本でもアメリカでも持て囃された。

 松山自身がどう思っているかとは無関係に、成績や動向と比例して予想や期待がみるみる広がっていく。その中で結果を求められることはスター選手の宿命だ。

 松山自身、それを痛いほど感じていたのだと思う。期待に応えたいという気持ちでいっぱいだったのだと思う。フェニックス・オープンで大会2連覇を達成した直後から、一転して不調に陥った彼は、なんとかマスターズまでに調子を戻そうと必死の努力を積んできた。

 開幕前の会見では「少しずつ良くなってきている。楽しみになっている」と明るい表情も見せていた。

 だが、初日を4オーバーで終えたとき、彼の笑顔は完全に消えていた。

ショットは格段に改善、パットも悪くない。

 マスターズ初日。松山の第1打は右サイドのフェアウェイバンカーにつかまった。が、そこから上手くピン10mに付けると、きっちり2パットでパー発進。2番は3メートルのバーディーパットを外してせっかくのチャンスを逃したが、3番、4番、5番、6番と強風の中でパーを重ねたゴルフは決して悪くなかった。

 開幕前の彼の言葉通り、マスターズ前に最後に出場したマッチプレー選手権までと比べて、ショットは格段に良くなっていた。オーガスタのグリーンの難しさを考えれば、3~5m前後のバーディーパットが入らずとも、それが「悪い」ことには決してならず、松山がパーパットを沈めると、ギャラリーの合間から「グッド」の声が上がっていた。

【次ページ】 7番、ドライバーが曲がり始め……。

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