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田中将大、オープン戦で圧巻の数字。
3年連続開幕投手で本来の凄みを。
posted2017/04/02 07:00
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph by
AFLO
真っすぐに伸びた背筋。小さく弧を描きながら、ゆっくりと上がる左脚。大きなストライドから左足がドンと踏み出され、溜め込んだ力が右腕から一気に放たれる。ヤンキースの田中将大の投球フォームは、静から動への一瞬が、何しろ力強い。
ところがオープン戦3度目の登板となった3月11日のタイガース戦後、当の本人がこう言うのである。
「全然、力んでないですよ。こうやって投げるのが僕のスタイルなんで、いいんじゃないですか……球速は出てないだろうけど(笑)」
「よく動いていた」ツーシームで初回から6連続三振。
田中はその試合で4回無安打無失点。打者12人を完全に抑えてみせた。彼にとって問題があったとすれば、それはタイガースの主力のほとんどが遠征に参加しなかったことかも知れない。田中本人が「今日はよく動いていた」と認めるツーシーム・ファストボールに相手打者の技量が追い付かず、田中は初回の先頭打者から6者連続で三振を奪ったのである。
「基本的にはいつも、追い込んだら三振獲るぐらいの気持ちで、決めるところはしっかり投げないといけないと思うから、厳しいところに狙って投げています」
6三振を奪うのに要した球数は2イニングで29球。決して多くはないが、それは彼が望んだことではなかった。
「だから3回とかの投球は理想だったと思います。6球で終われたし。そうなるように仕向けたと言ったらあれですけど、早いカウントから内角を使ったり、外にカットボール使って打たせたりとか。そうならないかなと思って投げました」