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神野大地は坂道が得意じゃなかった?
“山の神”の最大の武器は「我慢する力」。
text by
NumberDo編集部Number Do
photograph byRaita Yamamoto
posted2017/03/24 11:00
“平地”に戻った“山の神”、最近の調子は?
コニカミノルタで社会人2年目を迎える神野は、今後は東京五輪に向けて本格的にマラソン練習に入るという。現在は日本陸連のニュージーランド合宿に参加している。
“平地”に戻った彼の中ではすでに箱根の“山の神”の称号は過去のものなのかもしれない。
社会人1年目は、あえてフルマラソンを封印し、5000m(14分2秒49)と1万m(28分17秒54)の自己ベストを更新した。さらに、今年2月の丸亀国際ハーフマラソンでは、大迫傑、設楽悠太、村山紘太らのスピードランナーを抑え日本人最高位の5位(1時間1分4秒)でフィニッシュした。青梅マラソンで30kmを経験し、今年中にはフルマラソンのレースに挑む見込みだ。
「社会人2年目でマラソンに挑戦するというのは最初から決めていたことでした。最大の目標は2020年の東京五輪なので、そこから逆算して自分の力を積み上げていきたいと思います」
最後に少し意地悪な質問をしてみた。
――日本の男子マラソンは、2002年に高岡寿成さんが2時間6分16秒の日本最高記録で走って以来、更新されていません。一方、世界トップレベルは今や2時間2分台、3分台のトラックレースのようなスピード化が進んでいます。この現状をどう捉えていますか?
「自分は世界記録を狙うようなレースで勝負しようとは全く思っていません。確かに現状では、2時間2分台、3分台で日本人ランナーが走るのは難しいのかもしれません。ただ、東京五輪のマラソンが行われるのは2020年の8月で、日本特有の湿気と暑さでレースコンディションはかなりハードなはずです。その中で2時間6分、7分台で走り切れるか。まずは日本記録に近いペースで走る力をつけた上で、ハードコンディションでも同じパフォーマンスが出せるようにすることが必要だと思います。僕は坂道同様に、暑さに対してもまったく苦手意識はありませんので」