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ラトバラとマキネン
「勝利をもたらした化学反応」 

text by

古賀敬介

古賀敬介Keisuke Koga

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photograph byTOYOTA

posted2017/03/29 11:00

ラトバラとマキネン「勝利をもたらした化学反応」<Number Web> photograph by TOYOTA

復帰1戦目となるモンテカルロでは、舗装路に雪が混じる難しい路面路面状況の中、2位でゴールしたラトバラ。

ふたりが掲げるのは「ワールドタイトル獲得」。

 ラトバラは過去に3回スウェーデンで優勝経験がある。それだけに、どうしても「勝たなければ」という気持ちが強く出てしまい、力が入り過ぎてしまう。しかしマキネンは、「無理にトップを狙う必要はない」と、はやる気持ちを落ち着かせ、不要なプレッシャーを取り除いた。

 その一方で、ライバルの脱落でラトバラが首位に立ち、大きなリードを得た局面では「アクセルを緩めるな。最後までプッシュしろ」と命じ、集中力を持続させた。目の前の優勝を意識しすぎると、思わぬミスにつながることを、経験上知っているからだ。

 その時々のクルマの状態と、選手のコンディションを鑑みて、的確な指示を与える。ラリー・スウェーデンでラトバラが勝利を掴んだ背景には、リングサイドのセコンドを思わせる、マキネンならではの絶妙なメンタルコントロールがあったのだ。

 マキネンとラトバラという、ふたりのフィンランド人の出会いは想像もしなかった化学反応を生み、トヨタは復帰早々に大きな成功を手にした。しかしマキネンは「最初の2戦の結果は『望外』だった。これから訪れるであろう厳しい時をいかに乗り越えるかが、我々の本当の力の見せ所だ」と言葉に力を込める。「ワールドタイトル獲得」という壮大な目標を掲げる、マキネン率いるトヨタの戦いは、まだ始まったばかりである。

ラトバラLatvala

1985年4月3日、フィンランド生まれ。'02年にWRCデビュー。'07年からフル参戦を始め、翌年のラリー・スウェーデンで史上最年少記録で優勝した。'10、'14、'15年と3回ランキング2位を獲得。昨年まで通算16勝を誇る。

マキネンMakinen

1964年6月26日、フィンランド生まれ。'87年にWRCデビューし、'94年1000湖ラリーで初優勝。'96 ~ '99年まで4年連続ドライバーズタイトルを獲得した。'03年に引退。'15年、TOYOTA GAZOO RacingのWRT代表に就任。

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