イチ流に触れてBACK NUMBER
イチローも、怪我させた相手も笑う。
日本ではやれない、キツいジョーク。
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byKyodo News
posted2017/03/01 11:40
イチローとバーンズが激突直前の写真。体格的にも、スタイル的にもイチローとは対照的。それでも、彼らは最高の仲間なのだ。
「日本ではやれない」悪ノリに雰囲気が和む。
このシャレの利きすぎた展開に、重大な責任を感じていたバーンズにも笑顔が戻り「このサインは本物? 本物なら嬉しいね。持って帰って部屋に飾るよ。これで俺も日本で仕事が見つけられるかな」とジョークで応酬。
この光景を見ていたイチローも「こういうの、アメリカっぽいよね(笑)。日本ではやれない。そりゃ、面白いよ」と、一緒になって笑った。
幸い、打撲した右膝は軽症で済んだ。違和感の残る腰の状態にイチローは慎重に調整を進めるが、開幕まで1カ月以上を残すこの時期にペースをあげる必要もない。
「この国では何が起こっても不思議ではない。あらためてそのことを痛感した」とはイチロー。
フロリダ州南東部特有のゆったりとした空気が流れるキャンプ地ジュピターで、イチローはメジャー17年目に向けてゆっくりと仕上げていく。