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NBAはスポーツのジャンルを超えて。
大物達が集まるオールスターの内幕。
text by
長澤壮太郎Sotaro Nagasawa
photograph byJennifer Pottheiser/NBAE via Getty Image
posted2017/02/27 11:00
オールスターMVPのアンソニー・デイビス(左)はウェストブルック(右)からMVPを獲るコツを教えてもらったとか。
試合前の3日間、まったく交流しなかった2人。
いよいよ2月19日の夜、オールスターは本番を迎え、スムージーキングセンターのボルテージは最高潮に達した。
東カンファレンスのスタメンは、カイリー・アービング、デマー・デローザン、レブロン・ジェームズ、ヤニス・アデトクンボ、ジミー・バトラー。
西カンファレンスのスタメンは、ステフィン・カリー、ジェームス・ハーデン、ケビン・デュラント、カワイ・レナード、アンソニー・デイビス。
両チームともまさにドリームチームだ。
噂のウェストブルックとKDは、結局この3日間ずっと距離を取って過ごしてきた。ロッカールームもあえて一番離れた場所が用意された。
米メディアは依然としてこの2人の一挙手一投足を見逃すまいと、目を凝らしていた。
試合のハイライトは、あの2人の連係プレーに。
それが訪れたのは、第1クオーターだった。
KDのパスを受けたウェストブルックがアリーウープで決めたのだ!
その瞬間のふたりの完璧な呼吸が、会場の空気を一変させた。
試合の内容が低調だっただけに、このシーンがオールスターのハイライトとなった。試合後もメディアは2人からこの瞬間についてコメントを引き出そうと必死だったが、言葉ではなく、あのプレイこそが、2人からのメッセージだったと思わずにはいられない。
結局、オールスターでの得点記録を更新し、ウェストブルックの3年連続MVPを阻んだのは、あのアンソニー・デイビスとなった。終盤はチームメイトによるお膳立てが過ぎるところもあったが、そこはご愛嬌といったところか。
そして今年の巨大“サミット”は、アリーナにいた選手、関係者、メディアのすべてが驚く出来事で締めくくられることになった。
オールスターにも出場したサクラメント・キングスのデマーカス・カズンズがニューオーリンズ・ペリカンズへトレードされたのだ。
自分がトレードされたことを知らされたのはなんと試合後のメディアとの質疑応答の最中という異例の事態だった。