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NBAはスポーツのジャンルを超えて。
大物達が集まるオールスターの内幕。
posted2017/02/27 11:00
text by
長澤壮太郎Sotaro Nagasawa
photograph by
Jennifer Pottheiser/NBAE via Getty Image
ニューオーリンズで開かれたNBAオールスターゲーム。
本戦2日前の公式会見は、ホテルのバンケットルームで行われた。
部屋には選手用である12人分の机がある程度距離を保ってセッティングされ、選手はそれぞれのテーブルに座りメディアの質問に答える方式となっていた。
とりわけ多くのメディアが、2つの離れた机に大挙して群がり、お目当ての選手を待ちわびていた。
ひとつの机にはケビン・デュラント(KD)、そしてもうひとつの机にはラッセル・ウェストブルックと書かれていた。
先に出てきたのはKD。
メディアが一斉に元チームメイト、ウェストブルックとの関係について質問をぶつけた。予想がついていたKDは、冷静に、失言のないよう真摯に答えていた。
一方のウェストブルックは、未だ登場せず。
他の選手が各々の机でメディア対応をし始めても、彼の姿は見えなかった。
会見に来ないのか……と思った頃にようやくウェストブルックが登場。不敵な笑みを浮かべ、質問を受け始めた。
因縁の2人へ殺到するアメリカのメディア。
「KDとの再会についてどう思うか」
「KDは自然体でいると言っていたが、あなたは?」
米メディアは、KDとウェストブルックの机の間を行ったり来たり。
今シーズン開幕前、サンダーからライバルチームであるウォリアーズに移籍した元相棒との対立構造を、この祭典の話題の目玉としてメディアは書きたてようとしていた。
KD同様、質問内容が予想できていたウェストブルックだが、対応はKDと全く違った。
KDとオールスターゲームでプレイすることについて聞かれると、おもむろに「ファッションウィークを追ってるかい? 今年の新作はすごいよ」と、全く関係のない答えで対抗する大胆な作戦に出た。
さらに遅れて来たにもかかわらず会見を早々に切り上げて、席を立ってしまった。
彼らと好対照だったのは、地元「ニューオーリンズ・ペリカンズ」のスター、今回初選出のアンソニー・デイビスだ。
全てのメディアの対応やファンサービスを最後まで立派に行うだけでなく、混雑する街の中で、他の選手達が快適に過ごせるよう、おすすめのレストランを紹介したりするなど、ホストとしての役割を懸命に務めていた。