#sotaronbaBACK NUMBER
NBAはスポーツのジャンルを超えて。
大物達が集まるオールスターの内幕。
text by
長澤壮太郎Sotaro Nagasawa
photograph byJennifer Pottheiser/NBAE via Getty Image
posted2017/02/27 11:00
オールスターMVPのアンソニー・デイビス(左)はウェストブルック(右)からMVPを獲るコツを教えてもらったとか。
最先端技術までもが惜しげもなく披露されるNBA。
この「テックサミット」で発表された技術は積極的に採用され、今回のオールスターでも最新のVR中継などが話題となっていた。
中でも、選手の身体に日常生活からセンサーをつけておき、心拍数や体調、朝の食事からその日のパフォーマンスまで……まさに生活のあらゆる健康データを割り出す技術が注目されていた。そのシステムは、試合でのシュート率までも計れるようになっていた。プレゼンに参加した現役選手が、それをつけてシュートを打ったが外してしまい、苦笑いするひと幕もあった。
オールスターの裏の主役はNBAのレジェンドたちだった。
本戦の前のいくつものイベントを通じて、NBAが「スポーツ」「生活」「ビジネス」という大きな3部門をうまく巻き込みながら業界の発展とスポーツを超えた文化の構築に成功している要因が分かってきた。
そして、これらのシーンでキーマンとして貢献していたのが、現役選手とともに、引退したNBAのレジェンド達だった。
ゲイリー・ペイトン、ドミニク・ウィルキンズ、ディケンベ・ムトンボ、ブラジルの伝説の選手、オスカー・シュミット……などの積極的な姿が印象的だった。レジェンドたちは、アリーナ内のあらゆる場所で人と人をつなげる役割も果たしていた。
オールスターという場では、表舞台の華が現役選手であるならば、裏舞台の柱はレジェンド達のようにも思えた。
2人への連日の過酷な質問攻めにA・デイビスは……。
様々なイベントが繰り広げられる中、本戦前日のメインコートでは、スラムダンクコンテストや3Pコンテストが行われる前夜祭が開催されていた。
前夜祭に先駆けて、当日の午前中は東西のオールスターメンバーが公開練習をし、その後再びメディアの質問に答える予定になっていた。
注目された西軍の練習風景だが、KDとウェストブルックはお互いコートの反対側に分かれ、一切交わることはなかった。練習後、メディアはKDとウェストブルックの因縁のドラマに対して、火に油を注ぐような激しい質問攻撃を浴びせていた。
そして……そんな騒がしい日でさえも、アンソニー・デイビスは模範生のように振る舞っていた。