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NBAはスポーツのジャンルを超えて。
大物達が集まるオールスターの内幕。
text by
長澤壮太郎Sotaro Nagasawa
photograph byJennifer Pottheiser/NBAE via Getty Image
posted2017/02/27 11:00
オールスターMVPのアンソニー・デイビス(左)はウェストブルック(右)からMVPを獲るコツを教えてもらったとか。
オールスターはNBA界の“サミット”なのだ!
ニューオーリンズに集まっているのは、選ばれたオールスターメンバーとそれを取り巻くメディア(NBA発表では今年は43カ国からの合計345メディア)だけではなかった。年に一度の祭典は、多くのチームのオーナー、GM、コーチ陣、トレーナーから医師やマネージャーが一堂に会し、情報を交換する場でもある。
4階建ての試合会場「スムージーキングセンター」は、各フロアが球団の組織図を表しているかのようだった。
オーナーたちは上層階のスイートルームやペントハウスに集い、チームの役員やGMレベルの人たちは中間階のエグゼクティブエリアに集まり様々に交流していた。そして、一番下のコートレベルでは、選手やトレーナーたちが汗を流している。
今回「WOWOW NBA スーパーサタデー」のMCとして現地で取材をして分かったのは、オールスターゲームがただ単にスター選手を集めてファンにスラムダンクや東西対抗試合を見せるイベントなのではない、ということだった。
4日間にわたって繰り広げられる大規模な“サミット(首脳会談)”であるということだ。
NBAはスポーツを超えて、あらゆる社会活動へと広がる。
ウェストブルックvs.メディアの攻防が熱を帯びる一方、別会場ではオールスター選手が参加する様々なイベントが行われていた。
ニューオーリンズ付近でハリケーンの被害や水害にあった地域で奉仕活動を行う「NBA ケアーズ」、子供達に運動をする大切さを伝える「NBA フィット」など、周辺地域との繋がりを大切にする理念に基づいた活動が多く見られた。
将来有望なジュニア選手を集めたキャンプも開かれ、世界中から選抜されたスター候補生が技術を磨いていた。
またスポーツ界でも特にソーシャルメディアや最新技術とのコラボレーションに長けているNBAは、「NBA テックサミット」と呼ばれるイベントも開催していた。
そこでは、試合の報道技術や選手の健康管理をするための最新の技術などが発表された。多くの技術会社やメディアテクノロジーを持つ会社がプレゼンを行い、アイディアが即ビジネスに結びつく場を提供している。