話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
神戸は本当に優勝に絡んでくるのか。
ネルシーニョ「私は後手を踏まない」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2017/02/23 07:30
ネルシーニョが神戸の監督に就任して3年目。今年は本格的にタイトル争い参戦を明言し、新たなステージに入ったことは確実だ。
チームにいなかったタイプを“狙い撃ち”で補強成功。
その延長線上にあるのが今季の補強だ。ペドロ・ジュニオールが抜けたが、田中順也(スポルティングCP)、大槻周平(湘南)と2人のFWを獲得。これまで神戸にいないタイプのドリブラー大森晃太郎(ガンバ大阪)、さらにボランチの高橋秀人(FC東京)、センターバックの渡部博文(仙台)など主力級を補強することができた。
「昨年のチームを分析し、必要な選手を狙い撃ちして獲得することに成功しました。田中、大森ら今までのチームにいなかったオプションを手に入れることができたので、チーム全体の質がかなり上がりました。これでより一層、競争力のあるレベルの高いチームになったと思います」
補強はまさに狙い撃ちだ。
DFからFWまで既存の選手と異なるタイプを各ポジションに1人ずつ(FW2人)、選手がダブつかないようにきちんと計算して補強している。
練習試合を1試合も組まなかったことの理由。
チーム作りでは、キャンプから体作りに力を入れていたことが印象的だった。神戸は1月20日にチームが始動し、25日から2月3日まで沖縄合宿を行った。フィジカル中心のメニューだったが、その意図についてネルシーニョ監督はこう語る。
「まず1年間、怪我をしないことが大事ですし、戦える体を作らないといけない。さらに試合が終わって、次の試合までに体を回復させるリカバリー能力が高くないといけない。このキャンプでは負荷を高くしてフィジカルを上げること、さらにリカバリー能力をつけることが目的でした」
沖縄キャンプで驚いたのは、練習試合が1試合もなかったことだ。通常であれば最終日あたりに練習試合が組まれるものだが、ゼロにした意図は何だったのか。
「私はJリーグで優勝するために、1歩ずつ階段を踏んで登っていく作業が必要だと考えています。まずは怪我をしないで戦える体を作り、コンディションを整えてから試合形式の実戦メニュー、戦術面に入っていくのが私のやり方です。フィジカルが十分でない状態で試合をやり、戦術を浸透させていくのは私のやり方ではない。今のやり方がベストだと思っています」