補強のターゲットポジションには、岡崎も……？

　今季の結末が残留であれ降格であれ、来季にチームを立て直すための策をオーナーが冷静に「頭」で判断すれば、奇跡を起こした監督の後釜を見つけるよりも、戦力を入れ替える方が簡単だという結論に至るに違いない。

　特にプレミアのステータスを失わずに済めば、最終ラインで動きの鈍さが目立つようになったウェズ・モーガンとロベルト・フート、中盤でカンテという守備の相棒を失って攻撃面での貢献度が落ちているダニー・ドリンクウォーター、前線で昨季とは別人のようにゴールもアシストも減少しているバーディーとリヤド・マフレズ、そして記者やファンの間で、「5人目のMFとしての働きは十分だが、セカンドトップとしての威力に欠ける」と言われ始めた岡崎など、昨季主力組の複数名に今夏の移籍市場で後釜を見つけることも不可能ではないだろう。

　もっとも“シンデレラ・クラブ”のオーナーには是非とも「心」で判断してもらいたい。降格候補同士の対決である25節スウォンジー戦でポイントを落としたとしても、少なくとも今季末まではラニエリ続投の姿勢を貫いてほしい。

　損得勘定で物事を判断する投資家オーナーが増えるプレミアにあっても、人々の心を強く打てるレスターには、「金銭」よりも「道義」を重んじて2年連続の美談完結を期待したい。