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17歳ネイサン・チェン、
新記録で全米選手権初タイトル。 

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田村明子

田村明子Akiko Tamura

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posted2017/01/24 11:30

17歳ネイサン・チェン、新記録で全米選手権初タイトル。<Number Web> photograph by AFLO

GPファイナルでも総合2位に食い込んだネイサン・チェンは、驚異の17歳だ。

フリーでは史上初となる5度の4回転に成功。

 歌劇「イーゴリ公」より「韃靼人の踊り」を使用したフリーでは、チェンは何とフィギュアスケート史上初となる5度の4回転ジャンプを成功させた。

 4ルッツ、4フリップ、2度の4トウループ、そして後半に4サルコウを加えて、フリー212.08を獲得。5度の4回転ジャンプに挑んだことは何度かあるが、すべて成功させたのは、今回が初である。

「GPファイナルでメダルを手にしたことは、プレッシャーにはなった。でもそれ以上に、エキサイティングなことで自信にもなりました」と試合後にコメントしたチェン。「技術的には高いレベルの演技ができたけれど、世界のトップを狙うには芸術的にはまだもっと進歩していかなくては」と謙虚な姿勢も見せる。

 コーチのラファエル・アルトゥニアンは「彼に必要なことは、怪我をしないように注意をすることだけだ」と言い切った。昨シーズンはこの大会でフリーで4度の4回転を成功させたあと、エキジビションの演技中に大怪我をして手術を受けたチェンだった。

 チェンの総合318.47は、2位と55ポイント以上の点差があり、現在の米国内ではチェンは一人勝ちの状態である。アメリカのメディアは平昌五輪の有力な男子メダル候補誕生と湧いているが、確かに彼のように高い身体能力を持った伸び盛りの若手が勢いに乗ると怖い。日本勢にとっても、手強いライバルになるだろう。

2位にジュニアのゾウ、3位にブラウンが入る。

 2位はやはり中国系アメリカ人である、16歳のビンセント・ゾウだった。国際試合ではまだジュニアに出場していて、昨シーズンはジュニアGPファイナルで4位だった選手である。SP、フリーともによく演技をまとめ、初の全米シニアメダルを手にした。

 3位はSP4位から順位を一つ上げた、22歳のジェイソン・ブラウンだった。

 タイトル保持者だったアダム・リッポンは、オフアイスのウォームアップ中に起きた事故による怪我で欠場した。

【次ページ】 米国男子は平昌五輪で3枠を確保できるか。

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