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日本一に輝いた千葉ジェッツの誘惑。
ライバル、初タイトル、理想の体験。
posted2017/01/13 07:00
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
AFLO
野球やサッカーと比べれば、現時点では、ケタが違う。でも、バスケットボールの最多観客動員の千葉ジェッツというチームには、プロスポーツとしての『ミライノカタチ』がつまっている。
スポーツクラブの本質は負けたときにこそ、問われる。プロには負け方というものがある。
12月30日 ×千葉ジェッツ 90-96 ○川崎ブレイブサンダース
12月31日 ×千葉ジェッツ 82-84 ○川崎ブレイブサンダース
昨シーズンのNBL王者である川崎ブレイブサンダースの北卓也ヘッドコーチの初日のコメントはこうだ。
「千葉さんは(第4クォーターの)10分間で36点決めています。すごい攻撃力を持っているチームだと思いますので、勝ってホッとしています」
1クォーター(1Q)が10分で、合計40分。わずか1つのクォーターで36点というのは、とてつもない数字だ。1試合に換算すると144点。1試合で100得点を超えれば、話題にあがるくらいなのだから。
千葉ジェッツはどういうチームかと聞かれたら。
2日目の試合後の北のコメント。
「うちはディフェンスのチームなのですが、今日も第3Qで36点入れられたということは……。千葉さんは、昨日の前までリーグの中で最も多く3Pを決めているチーム。1試合平均10本くらいですよね。イージーに打たせないようにしようとは言いました。今日は3Pのパーセンテージ的にはそれほどではないかもしれないですけど、5人の選手が10点以上決めているんですよね。バランスが良いチームで、非常に守りづらいところはあります」
ジェッツの3Pの成功数はリーグトップだ。1試合平均得点はリーグ4位につけている。
司令塔であるポイントガードの富樫勇樹は、リーグでただ1人、アシスト数の1試合平均が4を超えている。にもかかわらず、個人の得点ランキングでベスト10に入る選手はいない。様々な選手が点を取る。
千葉ジェッツとは、どういうチームですか?
そう問われれば、攻撃的で得点力のあるチームです、と答えても間違いではないだろう。ただ、「攻撃的」というのは、彼らの「スタイル」に過ぎない。ジェッツの本質と強みは、そこにはない。