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第4回WBCと新ルールの導入。
大物投手のスポット参戦も現実的? 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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posted2017/01/07 08:00

第4回WBCと新ルールの導入。大物投手のスポット参戦も現実的?<Number Web> photograph by Getty Images

バムガーナーは投手としての能力はもちろん、毎年複数本塁打を放つ打力も魅力で、指名打者を放棄して打席に立ったこともある。

過去大会にないアメリカの豪華布陣。

先発投手:マックス・シャーザー(ナショナルズ)
救援投手:アンドルー・ミラー(インディアンス)
捕手:ポージー
一塁手:ゴールドシュミット
二塁手:マーフィ
三塁手:アレナド
遊撃手:ブランドン・クロフォード(ジャイアンツ)
外野手:クリスチャン・イェリッチ(マーリンズ)、アダム・ジョーンズ(オリオールズ)、アンドルー・マカッチェン(パイレーツ)
指名打者:エリック・ホズマー(ロイヤルズ)

 といった具合で、調子さえ上がれば、かなり見応えがあると思う。

予備登録システムで、大物投手のスポット参戦も?

 とここまで書いたところで、投手に関する新ルールの導入が発表された。今回は《10人の指名投手枠》が別に設けられ、《そこから2名ずつを各プールで追加起用する》ことを認めるというのだ。一種の予備登録に近いシステムで、アメリカが順調に勝ち進めば、プールC(マイアミ)、プールF(サンディエゴでの第2ラウンド)、準決勝+決勝(ロサンジェルス)の3段階で、2~6名ほど投手の枠を広げることが可能になる。

 このルールの導入で、クレイトン・カーショー(ドジャース)やマディソン・バムガーナー(ジャイアンツ)らの「期間限定参加」もにわかに可能性が高まってきた。とくにバムガーナーは、3度のワールドシリーズで4先発4勝0敗、通算36イニングスを投げて自責点1という実績を残す短期決戦男だ。トーリも、監督のジム・リーランドも、喉から手が出るほど欲しい投手ではないだろうか。

 となると、先発ローテーションも変わってくるにちがいない。これまでは、シャーザー、クリス・アーチャー(レイズ)、マーカス・ストローマン(ブルージェイズ)、ダニー・ダフィ(ロイヤルズ)の4人で先発をまわすと思われていたが、投球数が限定される大会だけに、5枚まわし、6枚まわしというパターンも十分に考えられる。

 28人中19人がほぼ確定した日本も、残りの選手をどういう形で補強するかが注目される。投手は《13人以上登録》と決められているだけに、あと7~8人をどうするか。もしかすると「指名投手枠」に意外なビッグネームが浮上してくる可能性もなしとはしない。これから2カ月は、選手の仕上がり程度にも眼を配っていきたい。

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クレイトン・カーショー
マディソン・バムガーナー

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