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全日本3連覇「狙っていきなさい」。
宮原知子がコーチに助言された理由。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAsami Enomoto
posted2017/01/06 08:00
全日本選手権3連覇を果たした宮原は、2015年の銀メダル以来となる世界選手権での表彰台を狙う。
ショートとフリー、どちらでもいい演技を。
調子が悪くても、良くても。
今大会に限った話ではないが、選手たちは、調子が悪いときの立て直し方に言及することが多い。ただ実際は、調子が良かったのにもかかわらず、実際の演技のパフォーマンスにつながらないケースの方が見受けられる。調子が良い分だけ、かえって力みを生む場合があるのだ。
宮原の言葉は、「調子の良し悪し」という難しさを理解していることを示している。そうした理解力もまた、宮原がここまで成長してきた理由のひとつであるだろう。
全日本選手権が終わり、今シーズン後半の国際大会の代表が発表になった。
宮原は、2月に平昌で行なわれる四大陸選手権、同月に札幌で行なわれるアジア冬季大会、そして今シーズンの最大の目標としてきた3月の世界選手権(ヘルシンキ)に出場する。
「今季はまだショートとフリーと、両方をいい演技で終える試合がまだできていないので、自分らしい演技ができるようにもっと、もっと頑張りたいです」
世界選手権の抱負を語る宮原は、静かに、しっかりと前を見据える。