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柿谷よ、ジーニアスからリーダーに!
C大阪が昇格即優勝を果たすために。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2017/01/01 08:00
J1昇格を果たし喜ぶ(左から)秋山大地、杉本、山口、柿谷、丸橋祐介。高い才能が集うだけに、チームとして“芯”ができればJ1でも上位に食い込める。
小笠原、遠藤、阿部のような選手がいない。
リードをしていても地力のある清水のようなチームとの対戦では、ホームで逆転負けを食らったように90分間安定した戦いができない。相手が攻撃の出力を上げてくるとそれに対応できずに受け身になり、試合を落としてしまった。
また、個々のレベルもJ2仕様から抜け切れていない。
たとえば、J2最終戦の熊本戦はシュートを17本も打ち、試合をほぼ握っていたのにもかかわらず、わずか1得点に終わった。攻めが雑でシュートの精度も低い。J1ではチャンスの回数が減るのでシュートの精度を高めていかなければ、代表クラスのDF陣がいるチームから得点を挙げることが難しい。
そして何より、上記してきたような課題や意識を、チーム全体に浸透させてくれる選手の必要性である。鹿島アントラーズの小笠原満男やガンバ大阪の遠藤保仁、浦和レッズの阿部勇樹がその代表格だが、残念ながら今のセレッソには、彼らのような存在が見当たらない。
27歳の柿谷とユン・ジョンファン新監督にかかる期待。
それゆえ、柿谷にはぜひそういう存在になってほしい。2017年は27歳になり、チームでは中堅だ。結婚し、生活が安定する中で人として成長し、幅が広がれば柿谷はいいリーダーになれるはずだ。
2017年シーズンは、サガン鳥栖で一世を風靡したユン・ジョンファン新監督のもとでスタートする。攻守両面でハードワークする選手が出場チャンスを得られるようになり、泥臭く戦うプレーが求められる。個で打開し、スマートなサッカーを展開していたセレッソのスタイルとは違う「堅守速攻、走るサッカー」に生まれ変わるだろう。
すでに鳥栖に在籍経験のある水沼宏太らユン監督のサッカーを知る選手が移籍を決めており、他にも声がかかっているようで、下準備は整いつつある。