スポーツ百珍BACK NUMBER
市立船橋の武器は高校生らしくなさ。
選手が自ら布陣を変える成熟度。
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byNIKE
posted2016/12/30 08:00
Jリーグ内定が決まった(左から)杉岡、原、高。これまで市船が獲得してきた15個のタイトルを示す星を胸に、高校最後の大舞台に臨む。
岩崎悠人擁する京都橘の初戦も、イメージ済み。
そんな中で、選手権本大会は非常にタフな組み合わせとなった。
初戦の相手はU-19日本代表FW岩崎悠人擁する京都橘。そして勝ち上がっても2回戦で前橋育英(群馬)vs.明徳義塾(高知)の勝者と激突することになる。
10月のU-19 AFC選手権で、岩崎とともに日本代表としてプレーした原は「決まってからは連絡を取ってないですけど、バーレーンに行っていた時に『選手権で当たったらおもしろいな』って話はしました」と岩崎との対戦が現実となったことを運命的だと感じている。
ただそれと同時に、詳細こそ明かさなかったものの「(抑える)イメージはあります」と、しっかりと相手キーマンのクセを観察しているなど、ぬかりはない。
市船の3年間で一番学んだことについて、高は「サッカーは相手あってこそのもの、だという点」とも話した。だからこそ、今起きていることを察知して、勝つための最善手を模索していく。それこそが市船の強みなのだと映った。
注目度が大きく上がる選手権の舞台でも、大人のチームぶりを再び見せてくるのか。選手権初戦の舞台は12月31日、多くの観客が詰めかけるだろうフクダ電子アリーナ。市船の本領を試すには、もってこいの環境である。