RALLYスペシャルBACK NUMBER
ラトバラの加入で大幅に戦力アップ。
18年ぶりにWRC復帰のトヨタに注目!
text by
古賀敬介Keisuke Koga
photograph byKeisuke Koga
posted2016/12/26 11:10
右からチーム代表のマキネン、ラッピ、ハンニネン、ラトバラの3名のドライバー。ラトバラは私服からレーシングスーツに着替えて記念撮影に臨んだ。
マキネンならラトバラの強さを引き出せるはず!
ラトバラをメンバーに加えた理由について、マキネンは「彼にはスピードと経験と技術的知識がある。マシンを開発する上でヤリ-マティの加入は非常に大きなプラスとなるだろう。彼のような優れた能力を持つドライバーを招くことができて、本当に嬉しい」と述べた。
ラトバラは'16年こそシーズン1勝に留まったが、本来はもっと勝てるだけのスピードがある。'10年、'14年、'15年と過去3回、年間ランキング2位につけた実績もある。精神的な部分での弱さがたまに顔を出すことがあるが、それさえなければタイトル争いをできるドライバーだ。選手として豊富な経験を持つマキネンならば、ラトバラの強さをフルに引き出すことができるかもしれない。
テストでヤリスWRCをドライブしたラトバラは、「まだあまり長い時間乗ったわけではないが、とても素性の良いマシンだと思った。これから細かな部分のチューニングを進めていけば、短時間で戦闘力の高いマシンに仕上がる予感がする」と、潜在性能の高さを確信する。
急激な進化をみせるヤリスWRCのポテンシャル。
なお、'17年に関してはラトバラとハンニネンのふたりがレギュラードライバーを務め、ラッピはテストドライバーとしてチームを支える。ただし、機が熟せばラッピにもヤリスWRCでラリーに出場するチャンスが巡ってくるかもしれない。
‘17年のWRCはマシンのレギュレーションが一新され、WRカーは今までよりもさらに速いマシンに進化する。
しばらくWRCから離れていたトヨタが、いきなり完成度の高いマシンを送り込むのは容易ではないだろう。しかし、発表会当日に、ヘルシンキから南フランスへととんぼ返りしたラトバラは、ごく短い時間でヤリスWRCのハンドリング性能を引き上げた。最初はやや曲がり辛そうに見えたマシンは、数時間後には自然なコーナリングラインを描くようになっていたという。