“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
高校時代の宿敵が鹿島の盟友に。
昌子源と赤崎秀平、'09年の邂逅。
posted2016/12/13 11:50
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Getty Images
現在、クラブワールドカップを日本王者として戦っている鹿島アントラーズ。初戦でオセアニア王者のオークランド・シティ(ニュージーランド)を2-1、準々決勝でアフリカ王者のマメロディ・サンダウンズ(南アフリカ)を2-0で破り、12月14日には南米王者のアトレティコ・ナシオナル(コロンビア)と戦う。
この鹿島の勝ち上がりに大きく貢献している2人の選手を見ていて、私はふと「ある情景」が脳裏に浮かんだ。それを思い出し、当時の取材ノートを振り返ってみると、非常に懐かしい思い出の一戦が鮮明によみがえってきた。
鹿島で攻守に輝きを見せる赤崎と昌子。
FW赤崎秀平とCB昌子源。
昌子は日本代表にも選出され、鹿島の最終ラインを担う存在で、クラブワールドカップでも対人の強さとボール奪取の上手さ、そしてラインコントロールで変わらずの存在感を放ち、「堅守・鹿島」を体現している。
赤崎はゴール前での駆け引きが上手く、スペースに飛び出してフィニッシュに持ち込むプレーが非常に速い。
オークランド・シティ戦では、54分にファブリシオに代わって投入されると、0-1で迎えた67分に強烈なミドルシュートを突き刺して貴重な同点ゴールを奪った。続く準々決勝のマメロディ・サンダウンズ戦ではスタメン出場を果たすと、ここでも大仕事をやってのける。
0-0で迎えた63分に、柴崎岳のロングパスに抜け出し、飛び出して来た相手GKを胸トラップでかわすと、ファーサイドの土居聖真に糸を引くようなピンポイントクロスを送った。赤崎のボールを土居がヘッドで折り返して、遠藤康が決勝弾となる先制点を叩き込んだ。
アトレティコ・ナシオナルとの準決勝でも活躍が期待されるこの2人。
思い浮かんだある情景とは、2009年8月7日、奈良県立橿原公苑陸上競技場でのものだ――。
インターハイ準決勝・米子北高校vs.佐賀東高校。
共に初のベスト4進出の快進撃を遂げたチームを牽引していたのは、2人のタレントだった。