“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER

高校時代の宿敵が鹿島の盟友に。
昌子源と赤崎秀平、'09年の邂逅。 

text by

安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

PROFILE

photograph byGetty Images

posted2016/12/13 11:50

高校時代の宿敵が鹿島の盟友に。昌子源と赤崎秀平、'09年の邂逅。<Number Web> photograph by Getty Images

柴崎岳を筆頭とする次世代組の中心を担う昌子源(後列左端)と赤崎秀平(後列中央)。世代交代に成功した鹿島は、強い。

鮮やかなボレーシュートを見せた赤崎。

 23分に谷尾のゴールで米子北が先制すると、これを皮切りに両チームの攻防は一層激しくなっていった。

 31分、佐賀東の左からのクロスをボランチの選手がヘッドで落とす。赤崎が昌子を背中でブロックしながら、腰より上に跳ねたボールを、身体をねじらせながら右足ボレーで叩く――ゴールを背にした状態から放たれたループボレーシュートは、鮮やかな軌道を描いてゴールに襲いかかるが、これが米子北GKが必死に伸ばした手に当たり、コースが変わるとそのままバーを直撃した。

 ゴールこそならなかったが、赤崎の圧巻のシュートに会場は大きくどよめいた。

 後半に入って、さらに米子北が追加点。

 そして、その直後に佐賀東が1点を返して……激しさが増す試合展開に、昌子のディフェンスもますます熱くなり、前半は数回のチャンスを作り出していた赤崎も苦しめられ始めた。

容赦なく赤崎を潰しにかかっていた昌子。

 昌子はどれだけ相手がパスで揺さぶってきても、赤崎を視界から外すこと無く、ボールを持ったら容赦なく潰しにかかった。

 赤崎はそれを嫌って、時には中盤に落ちてボールをさばくなど、どうにかして昌子のマークを振り切ろうとした。だが、後半は赤崎へのサポートが少なくなり、同点に追いつくことが出来なくなってしまった。

 試合はそのままタイムアップの時を迎える。

 米子北が佐賀東を2-1で下して、決勝進出を果たした。

【次ページ】 観客の記憶に残るプレーができる選手こそが一流。

BACK 1 2 3 4 NEXT
鹿島アントラーズ
オークランド・シティ
マメロディ・サンダウンズ
赤崎秀平
昌子源
米子北高校
佐賀東高校
アトレチコ・ナシオナル

Jリーグの前後の記事

ページトップ