イチ流に触れてBACK NUMBER
「試合に出ないのは本当に疲れる」
来季も4番手のイチロー、本音は。
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byGetty Images
posted2016/12/13 11:00
2015年は打率.229と低迷したが、2016年は打率.291と一気に向上したイチロー。契約更改では、再来年のオプションの話まで出たとも言われている。
「やっぱり試合に出ないのは疲れるなぁって」
若く、走攻守に於いて能力の高いイエリチ、スタントン、オズナのレギュラー外野陣は、30球団ナンバーワンの評価がある。
イチローも第4の外野手の立場を受け入れた上でマーリンズでのプレーを続けているが、今季最終戦終了後にはこんな言葉を残している。
「やっぱり、この4番目はしんどいですよ。それは確かなことですね。疲れます。でもそれは慣れなきゃしょうがないけど、なかなか慣れないね。なんと言ったらいいか……。できたかどうかはわからないですよ。感触の問題なので。でもやっぱり試合に出ないというのは本当に疲れるなぁって。休んでないからね、申し訳ないけど。そこは大きく違います。その見え方、見方は……」
この行間には多くの言葉が隠れている。
イチローの本音は「試合にずっと出ていた方が心身ともに楽。途中出場の方が技術的にも精神的にもきつい。スタメンで出続ければ……」に違いない。
来季も第4の外野手。
それでも不可能を可能にするべく、決してあきらめない。
それがイチローだ。