イチ流に触れてBACK NUMBER
「試合に出ないのは本当に疲れる」
来季も4番手のイチロー、本音は。
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byGetty Images
posted2016/12/13 11:00
2015年は打率.229と低迷したが、2016年は打率.291と一気に向上したイチロー。契約更改では、再来年のオプションの話まで出たとも言われている。
監督「イチローは来季についても同じ役回り」
ウインターミーティングの場はFAやトレード交渉だけでなく、来季を戦う上でのチーム戦略を議論し、決定する場でもある。
外野陣の構想を尋ねられたマッティングリー監督は、打率.298、21本塁打、98打点を残したクリスチャン・イエリチを「3番中堅」に固定し、左翼マーセル・オズナ、右翼ジャンカルロ・スタントンの配置を発表した。そして、イチローについては「今年は代打で好結果を残し、外野をバックアップしてくれた。来季についても同じ役回りになる」と、第4の外野手の立場は変わらないと話した。
イチローは今季143試合に出場し、327打数95安打、打率.291。10年連続200安打を達成した'10年以降では最高の打率を残したが、打席数はメジャー16年間で最少に終わった。
マッティングリー監督は1年前の就任当初からイチローの年齢を考慮し、「適度な休みは大切。常にフレッシュな体調をキープしなければいけない」と負荷過多となる起用はパフォーマンスを下げると説明してきた。
そして、今季もこんなことがあった。
13打数10安打から10打数無安打に……。
5月21日から今季初めて5試合連続でスタメンに名を連ねたイチローは、最初の3試合で13打数10安打というとんでもない離れ業をやってのけた。
42歳での3試合10安打は近代野球とされる1900年以降では史上初の快挙だったが、そのあとの2試合は10打数無安打。
指揮官の持論は固定観念に変わってしまい、ウインターミーティングの場でも「来季も代打が中心、スタメンは1週間に1試合か2試合出るのが最善な起用法だ」と説明した。