寒い北国でやってる選手に悪いやつなんていない！

――他にもいますか？

山賀　スタンドオフ2人を推したいですね。まず、東京ガスのヘイデン・クリップス。ゲーム判断が抜群によくて、東京ガスのアタックを引っ張ってます。ニュージーランド生まれの25歳。若いですよね。男前でもある。それと、秋田ノーザンブレッツのクリントン・ノックス。オーストラリア生まれの23歳。パス良し、キック良し、判断良しのオールラウンダータイプ。寒い北国の秋田でやってる選手に悪いやつなんていないですよ。

――そうなんですか？（笑）

山賀　絶対そうです。僕、秋田の外国人選手、そこそこ知ってますから。FWコーチのセタさん（セタレキ・タワケ）は、W杯に3回出場したフィジーラグビーのレジェンド。今、秋田の市役所で働いてるんですよ。セタさんの尽力もあって、良い外国人選手をスカウトできてる。ちなみに、ノックスはアラスカ・タウファという選手の後釜で2015年に加入したんですが、そのタウファはホントにすごく良い選手で、フランスリーグに移籍したんです。で、GMの新出（康史）さんに聞いたら、タウファは「秋田に獲ってもらって秋田で育ったから、秋田に残る」って言ったらしくて。ただし、スーパーラグビーかフランスから誘われたらそっちに行くという契約だったらしくて、秋田側も快くタウファを送り出したらしいです。秋田は外国人選手獲得に関してそういう土壌のあるクラブですから、ノックスはプレーもいいし、人間の中身もいいはずです。じゃないと、オーストラリアから秋田に行かないでしょ。

日本人選手なら、明治安田のスクラムハーフ。

――日本人選手も挙げていただけますか？

山賀　オススメしたい選手は何人かいますが、一番は、トップイーストのもうひとつ下のカテゴリー、ディビジョン2の明治安田生命にいるスクラムハーフ、加納遼大くん。誰も知らないと思うんですけど、「なんでこんなとこでプレーしてるの？」っていうレベルです。茨城の常総学院高校から明治大に進んで、4年からレギュラーとして試合に出始めたみたいで。あのあたりの大学生って、4年のラストシーズン迎える前にだいたい就職先決めてるじゃないですか。だから3部相当のリーグでプレーしてるんだと思いますけど。

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