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内藤哲也がタッグリーグ改革も放言。
「どうせ手抜き」とは言わせない!
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph byTadashi Shirasawa
posted2016/11/17 11:00
11月18日の『WORLD TAG LEAGUE』開幕戦で、内藤と「X」は、ジュース・ロビンソン&棚橋のタッグと対戦する。
新日にはシングルマッチへの強いこだわりがある。
その理由は、もともと猪木時代から新日本には「トップはあくまでシングルマッチで決するもの」という、強いこだわりがあったことが大きい。その証拠に、猪木は新日本の旗揚げ当初以降、タッグのベルトを腰に巻こうとはしなかったし、'90年代に入ってからも、全日本では世界タッグのベルトは、シングルの三冠王座と同等の価値とされていたが、新日本では“大関クラス”や比較的若い選手が巻くものというイメージが強かった。
また、新日本では年明けの1月4日に年間最大のビッグイベントである東京ドーム大会を控えているため、その直前のタッグリーグ戦は、どうしても勝負論よりも、お祭りのようなかたちで見られてしまうという問題もあった。
「どうせドームが決まってる選手は手を抜くんでしょ」
そんな新日本年末のタッグリーグに、今年改革の声をあげたのが内藤哲也だ。
内藤はまず、この時期になると新日本の話題が東京ドーム大会一色になることに対し、「『WORLD TAG LEAGUE』をすっ飛ばして、ドームの話題に持って行こうとするのは、『WORLD TAG LEAGUE』観戦予定のお客様に失礼じゃないのか」と、問題提起。その上で、これまでのタッグリーグ戦の問題点も指摘していったのだ。
内藤が言う問題点とは、まず『WORLD TAG LEAGUE』優勝チームが、どこでIWGPタッグ王座に挑戦するか決定していない、ということ。確かに、夏の『G1クライマックス』は、優勝者が1.4東京ドームでIWGPヘビー級王座に挑戦することが発表されており、明確な目標があるからこそ選手は死力を尽くして闘い、さらにファンには1.4ドームのカードを想像する楽しみも与えられている。
しかし、『WORLD TAG LEAGUE』はその辺が曖昧なため、内藤曰く「『どうせ東京ドームでカード決まってる選手は手を抜くんでしょ』、『怪我するリスクを冒してまで、優勝目指さないんでしょ』と、みんな思ってる」というのだ。