2016年の高橋由伸BACK NUMBER
山口俊&森福獲り、大田放出……。
由伸巨人のストーブリーグを観察!
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph byNaoya Sanuki
posted2016/11/16 11:15
期待されていた大田を手放した一方で、FAとトレードで実績あるピッチャーを次々と獲得しようとしている由伸巨人。やはり野球は投手力、ということか。
大田を手放し、MVPサウスポー吉川を獲得した。
大型トレードでチームに刺激を!という思いで書いたのだが、まさにそんなトレードが発表された。
「由伸巨人 大補強第1弾 MVP左腕」(サンケイスポーツ・11月3日)
《日本ハム・吉川光夫投手(28)、石川慎吾外野手(23)と巨人・大田泰示外野手(26)、公文克彦投手(24)のトレードが成立し、2日、両球団が発表した。2年連続でリーグ優勝を逃した巨人は入団時にOBの松井秀喜氏(42)の背番号「55」を受け継いだ大田を放出する形となったが、2012年のパ・リーグMVPに輝いた“即戦力左腕”吉川を獲得。》
これには驚いた。
吉川光夫投手の巨人での背番号は「21」と早々に発表された。ああ、「加藤初」と同じではないか。期せずして第1次長嶋政権の1年目のオフの動きと酷似。動いてきたなぁ。
大田は巨人の選手には珍しい大ボケキャラだった。
では大田泰示のことを書こう。大田泰示にはなんといっても夢があった。超高校級スラッガーとして、ドラフト会議では当たりクジを経て入団。大田は最初からワクワクさせてくれた。
8年間でホームラン9本というのはたしかに少ない。でも、その姿を見ただけで球場が和むという天性の華があった。デビュー直後に「ショート坂本、サード大田」を東京ドームで見れたときは、どれほどニコニコしてしまったことか。
大田は巨人の選手には珍しい大ボケキャラでもあった。「大田、しっかりしろ!」と言いたくなるのだけど、でも言ってる側はうれしそうだったりする。「大田ぁ、大事なときに自転車でコケるなよ、インフルエンザになるなよー」。大田になら全力で叱れた。
そうして毎年キャンプがはじまると「今年の大田は違うぞ」「ついに覚醒だ!」という紙面にウキウキさせられるのだ。