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エリ女は「格上が絶好調なら鉄板」。
連覇が多いのも、マリアライトに風。
posted2016/11/12 08:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
ダンスパートナー、メジロドーベル、ダイワスカーレット、スノーフェアリーなど、競馬史に残る名牝が勝ち馬に名を連ねる第41回エリザベス女王杯(11月13日、京都芝外回り2200m、3歳以上牝馬GI)。精鋭15頭による戦いを制するのは、連覇を狙うグランプリホースか、昨年の牝馬二冠馬か、それとも、勢いのある3歳馬か。
昔から「牝馬は格より調子」と言われている。この格言は、過去の成績にとらわれて高配当を獲り逃さないよう戒めているわけだが、「格上の牝馬が絶好調なら鉄板」と受けとることもできる。
今のマリアライト(5歳、父ディープインパクト、美浦・久保田貴士厩舎)は、まさにそういう状態に見える。
昨年このレースを勝ってGI初制覇を遂げたあと、有馬記念は1馬身差の4着。今年は、日経賞3着、目黒記念2着と来て、宝塚記念でドゥラメンテ、キタサンブラックら超一流の牡馬を負かし、グランプリホースとなった。そして、休養明けの前走、オールカマーで5着となり、ここで連覇を狙う。
堅実派はもちろん武器だが、負けるとしたら。
オールカマー5着からエリザベス女王杯というローテーションは去年と同じ。去年が5馬身1/4離されての5着だったのに対し、今年は1馬身3/4差の5着だから、順調度では今年のほうが上だ。
よく「牝馬は難しい」と言われるが、3、2、1着とひとつずつ着順を上げたり、休み明けを叩くと期待どおりに一変したりと、次にどうなりそうか計算できる強みがある。
ただ、高いレベルで安定していることはもちろん強調材料なのだが、こういう堅実派によくあるように、2度のGI勝ちはどちらも首差だった。勝つときも負けるときもちょっとの差。こういうタイプがやられるとしたら、瞬発力のある馬に一気に来られるときだ。