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米ツアー挑戦中のベテラン上原彩子。
「私、運があるからすごいことするよ」
text by
南しずかShizuka Minami
photograph byShizuka Minami
posted2016/10/30 07:00
英文と日本語併記のオフィシャルブログでは、日々の練習だけでなく、ファンとの様々な交流も伝える。
「米ツアーでは攻めないと頂点にいけない」
自信のあったアプローチショットは、毎週変わる芝、気温などの米ツアーの環境でプレーするうちに感覚が狂ってしまうのだと言う。
打つ時の手の感覚とイメージするショットを一致させるため、また多様な芝に対応する技のレパートリーを増やすため、練習場で黙々とショットを打ち込む。他の日本人選手が口を揃えて「彩子さんの練習量はすごい」と讃えるように、上原は時間の許す限り練習場にいる。
地道な練習の成果は「対応能力のアップ」に繋がった。
「どういうショットを打って、どこにボールを落とす」という基本的なコースマネージメントはもちろんのこと、「ここは攻める」という場面を前より見極められるようになった。
「米ツアーでは、4日間(スコアを)伸ばし続けないと頂点にいけないので。攻めるところは攻めないと。前までだったら逃げていた場面でも、勇気を出してアグレッシブに攻めるようになりました」
攻めた結果、ミスショットなどになって失敗したら、潔く自分の実力不足と認めて再び練習に励む。
「今は(攻めた時の)成功率を高めるために、技術面を詰めている段階だから」
地道な練習と努力の継続が幸運を呼び込んだ。
復調してきたとはいえ、やはりショットの不調が響いているのは確かで、ここ2年間はシード権獲得ができるかどうかというギリギリの戦いに甘んじていた。
だが、ここで、タダで終わらないのが上原である。
昨年は、選手数名が仕事で訪れていたバリ島の火山が噴火し、日本行きの飛行機が欠航となったために、急きょ繰り上がりで出場した「TOTOジャパンクラシック」で、上原は結果を残し、絶望的だったシード権を掴み取った。
今年は、8月の「カナダ太平洋女子オープン」で、米ツアー史上4人目となる2日続けてホールインワンを達成して、その勢いのまま10位タイフィニッシュし、来季のシード権までも確実にした。
ゴルフの神様が微笑んだのだろうか――。