フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
GPシリーズでいよいよ羽生結弦登場!
スケートカナダ、徹底検証プレビュー。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byYUTAKA/AFLO
posted2016/10/27 17:00
4回転トウループ、4回転サルコウ、4回転ループを跳ぶ羽生。羽生の活躍によって、男子フィギュアスケート界は間違いなく新時代に突入した。
一方、パトリック・チャンの今シーズンは?
25歳のパトリック・チャンは、8月にキャシー・ジョンソンコーチが辞任し、ベテランの振付師でもあるマリナ・ズエバコーチに移ったばかりである。
ソチ五輪前までは、羽生がチャンを追いかけていたが、ソチ五輪以降その立場は逆転した。チャンが最後に羽生を上回ったのは、昨シーズンのこの試合だった。だがここで2位に終わったことが、羽生の闘志に火をつけて、次の「NHK杯」、そして「GPファイナル」で続けて歴代スコアを更新したあの凄い演技につながった。
チャンは、フリーに2度目の3アクセルを加えて4トウループ2度、3アクセル2度の構成で挑む。だがいくらスケーティング技術に長けたチャンでも、3種類の4回転を持つ今の羽生とこのジャンプ構成で戦うのは、現実的に厳しいだろう。
そのことを誰よりもわかっているのは、チャン本人に違いない。
調子が良ければ、フリーに4サルコウを加えると宣言している。
無良の新プログラムにも期待!
9月にソルトレイクシティで開催された「USインターナショナルクラシック」で、ジェイソン・ブラウンに次いで2位というシーズンスタートをきった無良崇人も、メダル候補だ。
年々ベテランらしい味わいをその演技に加えていっている無良の、新プログラムに期待したい。
中国のハン・ヤン、世界で一番最初にSPで4回転を2度成功させたスケーターであるケヴィン・レイノルズ、グラント・ホチステインとロス・マイナーのアメリカ勢、ネーベルホルン杯で初優勝を飾ったロシアのアレクサンドル・ペトロフなども、表彰台を狙ってくるはず。
世界ジュニアチャンピオン、ダニエル・サモヒン、そしてウズベキスタンのミーシャ・ジーなど、個性派選手の演技にも注目だ。