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GPシリーズでいよいよ羽生結弦登場!
スケートカナダ、徹底検証プレビュー。
posted2016/10/27 17:00
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
YUTAKA/AFLO
10月28日から、GPシリーズ第2戦「スケートカナダ」がトロント郊外のミシサーガで開催される。この大会では、いよいよ羽生結弦が登場する。
9月末からカナダのモントリオールで開催された「オータム・クラシック」でSP、フリーともに4ループを成功させた羽生結弦。これまでアイスショーやエキジビションで見せたことはあったものの、試合で成功してISUの認定を受けたのは初めてのことである。もっとも他のジャンプの失敗がいくつかあったため、優勝したものの総合得点は260.57と、彼の持っている世界ベストスコアより70ポイントも低かった。
だがこの「オータム・クラシック」は、本格的なシーズン開幕に向けての足慣らしのようなもの。新プログラムをお披露目して4ループを成功させた羽生は、無事にそこでの目的を果たした。
さて、いよいよこの「スケートカナダ」が本番である。
新プログラムで羽生の新たな一面を。
今シーズンの羽生の新プログラムは、SPがジェフリー・バトル振付による、プリンスの『Let’s Go Crazy』。最後まで息をつく間もないアップテンポの音楽で、これまで見せたことのないファンキーなノリの羽生を見ることができる。
フリーがシェイリーン・ボーン振付、久石譲作曲の音楽を使った『Hope and Legacy』である。荘厳な雰囲気のある曲で、昨季の『SEIMEI』のように演じるキャラクターがあるわけではない。その意味では、今の羽生のスケートの持ち味だけで最後まで盛り上げていくという、難易度の高い作品である。
羽生が本来の滑りを見せるなら、この大会で彼を脅かす存在はいない。自分自身との戦いとなるだろう。