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法大体育会施設はJトップクラブ以上。
大学スポーツが持つ潜在能力とは。 

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並木裕太

並木裕太Yuta Namiki

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photograph byTsukuru Asada

posted2016/10/27 16:30

法大体育会施設はJトップクラブ以上。大学スポーツが持つ潜在能力とは。<Number Web> photograph by Tsukuru Asada

都市開発が進む武蔵小杉駅から徒歩圏内。法大川崎総合グラウンドはプロでもそうそうお目にかかれない絶好の立地条件にある。

フロンターレ、Vリーグ、Bリーグで活用できるように。

 大学がスポーツのもつ価値に気づき、その巨大な純資産の投資先として認識し始めた時、現在よりさらに充実したハードが整備されるかもしれません。ただ、数万人規模のキャパシティをもったスタジアムやアリーナが建設されたとしても、現在の枠組みでは、それらはあくまで大学が使うための用途に限定されてしまいます。

 たとえば川崎に素晴らしいスタジアムをつくるなら、地元のJリーグクラブ、川崎フロンターレの公式戦でも使えるようにする。アリーナをつくるなら、VリーグやBリーグなどのプロの試合の興行に活用できるようにする。そうやって、大学の外、地域社会とつながる道を模索すれば、日本のスポーツ界全体が発展していく可能性が広がるのではないでしょうか。

米国では10万人規模のスタジアムを大学が保有する。

 以前のコラムでもご紹介した通り、アメリカの有力大学は高額の報酬で優秀な指導者を招いており、大学スポーツはその地元でプロに劣らぬ人気を誇っています。そしてスタジアムの規模も巨大です。

 あるデータによれば、アメリカのスポーツスタジアムの収容人数トップ50のうち、28のスタジアムが大学専用(アメフト)のスタジアムだといいます。さらに、トップ10に入るスタジアムの全てが大学のスタジアムであり、そのうちトップ8位までは10万人以上のキャパシティを有しています。

 もちろん、その背景にはNCAAの存在があり、アメリカにおけるアメフト人気の高さがあることは理解していますが、それでもこれだけ多数の大学専用スタジアムがランクインしていることには驚きを隠せません。大学の有する財力の大きさを裏づけているとも言えるでしょう。

【次ページ】 プロと大学の共用が生んだ、幸せな関係性。

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