一人一人が倍以上やらないといけないレベル差が。

　サインを出し、指導をするのは監督やコーチら首脳陣でも、実際にグラウンドに立って、プレーするのは選手である。若手を育成するには時間もかかるし、今すぐどうにかできるものでもない。ましてや首脳陣がコロコロ変われば尚更だ。

　今回、前年のVTRを見ているようなシリーズになったのも、結果として補強が十分ではなかった1つの証明になるのではなかろうか。

　シリーズ開幕前に、角中勝也にソフトバンクの印象を訊ねた。

「一人一人のメンツを比べたらみんなが倍以上は、やらないといけないレベル差だと思うし、（実際に）それくらい違うと思う」

　100％の力を出し切れば……なら意味はとおる。

　しかし、倍以上やらないと、となると現状の戦力ではどうにもならないとも聞こえるし、かなり運任せのような気もする。

　個人レベルでは、石川歩が最優秀防御率投手、角中が首位打者に輝いた。

　2人のタイトルホルダーの活躍に来季こそ報いるためにも、来季に向けてチーム編成を再考する余地がありそうだ。