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鈴鹿を制する者は、世界を制する――。
ロズベルグ、日本GP初勝利の意味とは?
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byHiroshi Kaneko
posted2016/10/11 11:45
表彰台でファンに向かって派手にアピールするロズベルグ。「この伝説のレースコース(鈴鹿)での優勝は最高だね!」とコメントした。
ホンダだけでなく、マクラーレンにも大きな問題が。
もちろん、その原因のひとつが、依然としてライバルに対して性能差を抱えたままのホンダのパワーユニット(PU)にあることは否定しない。ただし、1週間前のマレーシアGPでダブル入賞を果たしたときと同等か、それ以上のスペックのPUをホンダが鈴鹿に投入しながら、大きく後退してしまったのは、マクラーレン・ホンダが抱えている問題がPUだけでないことを明確にしたことも事実である。
マクラーレンのレーシングディレクターを務めるエリック・ブーリエは、期待ハズレの結果に終わった敗因が「単純なパワー不足だけでない」ことを認め、マクラーレンの車体にもパフォーマンス不足があったことを認めた。
昨年はホンダの非力なPUの性能ばかりが注目を集めて見逃されてきたが、じつはマクラーレンも車体に大きな課題を抱えているということを、鈴鹿は今年の日本GPで露呈させたのである。
鈴鹿サーキットは、ホンダ創業者の本田宗一郎の「クルマはレースをやらなくては良くならない」という希望で、1962年に造られた日本で初めてとなる本格的なロードサーキット。
「成功は99%の失敗に支えられた1%だ。失敗を恐れず、チャレンジを続けろ」
本田宗一郎が、天国でそう言っているような気がした。