辻直人のB.LEAGUER DIARYBACK NUMBER
NBL最後のMVP、川崎・辻直人の確信。
「バスケットの醍醐味はシュート」
text by
辻直人Naoto Tsuji
photograph byKiichi Matsumoto
posted2016/10/06 10:00
9月30日の横浜ビー・コルセアーズとの開幕戦で、辻は11得点を挙げ、Bリーグ初勝利に貢献した。
展開が早く、多くのシュートが決まるのが醍醐味。
「日本のバスケット界を変えたい」
「日本バスケットをもっと盛り上げたい」
すべては、この思いへつながっていく。
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そのためにも、世界でも戦えるよう、さらに強化していかなければならない。
新リーグは代表強化の役割も期待されているだろう。果たして、そこに直結するのかどうなのか。それはこれからの僕たちにかかっている。ゲームやプレーの質を上げることはもちろん、選手同士が切磋琢磨することが、結果的には、先につながっていくものだと信じている。さらに、世界を見据えて、フィジカルを強化していく必要があると僕自身は痛感している。
これからBリーグを観戦する方にお勧めしたいポイントは、「すべて」と言いたいところだが、やはり、バスケットの醍醐味は、シュートシーンだと思う。ゲーム展開が早く、その中で多くのシュートが決まるのは、バスケットならではの魅力だ。3ポイントが決まることもあれば、ダンクシュートで会場が沸くこともある。そんなところにもぜひ注目してもらいたい。
負けるわけにはいかなかった開幕戦。
僕はシュートだけではなく、アシストも得意プレーの1つであり、強みだ。ただ、シューターとしては、長距離から放つ3ポイントシュートに、期待してもらいたい。そして観客席からぜひバスケットを楽しんでもらいたい。以前から興味を持っていた方も、最近、Bリーグを知った方も、まずは一度、会場に来て、バスケットボールの迫力を肌で感じてほしい。
日本代表遠征中に右太ももを負傷し、三遠ネオフェニックスとの開幕2戦に出場することができなかった。チームは連敗。何もできない自分が歯がゆくて仕方なかった。だからこそ、9月30日、同じ神奈川をホームとする横浜ビー・コルセアーズとのホームでの開幕戦は負けるわけにはいかなかった。
「絶対にチームを勝利に導く」。そんな強い気持ちを持って僕は試合に入った。前半はいい形でシュートを決めることができていたけれど、後半は少しバテてしまった。ケガで練習を休んでいた時間が長かったため、まだ完全に体力は戻っていなかったのだ。ただ、終盤までもつれながらも、87-85と僅差でものにすることができた。たくさんのシュートも決まり、観客の方にも楽しんでもらえたのではないかと思う。