#sotaronbaBACK NUMBER
移籍組ローズとノアの反骨心が、
ニックスの低迷脱出のカギになる!?
posted2016/10/06 11:20
text by
長澤壮太郎Sotaro Nagasawa
photograph by
Nathaniel S.Butler/Getty Images
10月1日、私はニューヨーク、マンハッタンから1時間ほど北へ登ったウェストポイントに向かった。NBAの開幕番組用に、米陸軍の施設内でキャンプを張っているニューヨーク・ニックスに密着取材するためだった。
ここ数年低迷に苦しんでいたニックスは復活を目指し、このオフシーズンに大きく動いた。
2008年ドラフト1位でシカゴ・ブルズに入団し、2011年に史上最年少でリーグMVPに輝いた地元シカゴの大スター、デリック・ローズをトレードで獲得。更にローズと共にブルズを牽引してきたビッグマンのジョアキム・ノアをFAで獲得。それ以外にもガードのブランドン・ジェニングスやコートニー・リーを加え、大黒柱カーメロ・アンソニーの周りを確実にアップグレードすることに成功した。
この動きはニューヨークのファンに希望をもたらした。実際にファンや地元メディアを取材をしてニックスへの期待に街全体がワクワクしているのがわかった。
鬼気迫るローズとノアの練習風景。
新チームはさぞかし楽しげな明るいムードで練習初日を迎えているだろう、と会場に向かった。しかし、施設内から聞こえてきたのは激しい足音と大きな叫び声だった。
かなりの迫力ある雰囲気に我々取材陣もピリっとした。
なんとコートの外にまで聞こえていたのは、チームをプレーで引っ張るローズの激しい足音、そして、それに負けじと指示を出し仲間を鼓舞するノアの大声であった。
ニックスにNBAのキャンプ初日の緩い雰囲気は一切なかった。
更に驚いたのは、ローズの身体の仕上がりの良さで、今すぐに開幕してもプレーできる程しぼれていて、顔にも無駄な脂肪が一切なかった。ノアも練習が終わっても上半身裸で汗をびっしょりかきながら個人練習にひたすら打ち込んでいた。
初日から鬼気迫る表情の2人。
練習後の取材でその真相がはっきり見えてきた。