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ベテランになった宮里藍の次の目標。
「世界1位」より大切にしているもの。
text by
南しずかShizuka Minami
photograph byShizuka Minami
posted2016/09/04 07:00
プレーの精度、大会に臨むメンタル、プロアスリートとしての矜持……すべてにおいて高みを目指した宮里は、日本人アスリートのロールモデルとなった。
「戦える状態にいることが、今は楽しい」
――待つしかないですか?
「(勝負どころの)タイミングを間違えると、すごく難しい方向にいってしまうので」
――難しい話がでましたね。
「そこは難しいんですよ。どんなにベストを尽くしても優勝に届かないことがありますし。今は自分がやるべきところをしっかりやれてるので『あとは神様お願いします!』みたいな。でも、戦える状態にいることが良いですよね。(ここ1、2年は)そこのステージにすらいけてなかったので。だからまあ、今は楽しい時期なのかな」
プロゴルファーとして良いこともそうでないことも様々な経験をした上で出てきた宮里の言葉は、年相応の重みがあった。
今年は20歳前後の新世代の大躍進で、ベテラン勢の優勝は23試合中2試合のみ(8月29日現在)と激減している。宮里はコンディションが整ってるから、近いうちに優勝できるだろう――なんて、安易に言うべきではないのかもしれない。でも、このインタビューを通して、宮里に勝利の女神が微笑んでくれる瞬間を、一層強く見てみたくなった。